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調べたこと(あのときのこと4)

ブログで、町内会農薬散布について書くからには、と、しまいこんでいた当時の資料を引っ張り出してみました。
すると、
前に書いたピカリンの「喘息用発作」は、
そういえば、
肺炎と右中葉の無気肺併発
と、ちゃんと診断名がついていました。
(入院時の診断名 喘息用発作は、これの心配がなくなっても続いたわけですが)
そうだった。
「無気肺」は放っておくと、肺が機能する範囲が狭くなったままに固定されてしまうのだ、と説明されて、思いっきり顔に縦線が入った事を思い出しました。
まず、この点を訂正いたします。

それから、どうして町内は「消毒薬」を撒くようになったのかについて、
私なりに調べた結果もまとめてありました。

町内消毒薬、は、
もとは全国的に撒かれていたものと考えられます。
平成11年3月に廃止になった『伝染病予防法』(明治30年~)というのがあり、
この中で、「伝染病を伝播する衛生害虫は市町村が駆除すること」という条文があります。この衛生害虫は蚊やハエのことです。
まだまだ、日本全体が不衛生で、
他人のタオルを使うとトラホームがうつる、とか
蚊で日本脳炎、なんて話が沢山あった頃の話で、その当時は、それなりに有効な衛生法だったのだと思います。

ただ、その方法が、市町村が町内会へと仕事を委任する形で行われ、
それが慣例化し、意味が形骸化していった過程があるのだと思います。

平成11年3月に法が廃止された後はどうなったかというと、
代わりに『感染症予防および感染症の感染者に対する医療に関する法律』というのができます。
これには、先ほど書いた条文に当たる内容はありませんが、もしあるとすれば
「都道府県において、感染症予防思索の実施に関する予防計画を定めること」
という条文の中にそれが含まれるのだと思います。

ピカリンが入院したのは平成12年ですから、もう、法律は施行されていません
市町村に、衛生害虫駆除の義務はなかったのに、漫然と、例年通りの形で、消毒薬散布が行われていたということが、散布の慣例化・形骸化を物語っていると思います。

さて、
自分が残した資料によると、私が市に対して質問したのは以下のようなものでした。
「薬剤の名前」
「効き目」
「散布に当たっての注意事項はどのように伝えているか」

これに対して、市の担当の方からのお答えは、以下のようなものでした。

薬剤名は、リサイルKC油剤で、成分は、ジクロルボス0.3%と、イソボルキオシアノアセテート1.0%である。
(効き目については答えがなかったように思うが、調べると、同様の薬剤の中で中より少し上の程度。広く撒くものとしては一般的薬剤)。乳剤もあるが、費用の関係で油剤にしている。
注意事項としては、町内に薬を渡す際に、「もし喘息の症状などが出るなどがあり、たとえ、その症状と薬の因果関係がはっきりしていなくても、そういう懸念を持っている市民の方には、その気持ちを十分に尊重するように」と伝えている。
洗濯物は取り込むよう言っている。
しかし、町内会自治会によっては、きちんと伝えているところと伝えていないところがある。
市内において、屋内に撒いているところはないと思う。

というようなことでした。

そして、「どうしてこのような質問をなさるのですか?」
と聞くので、
ピカリンのことを話し、医師から薬剤名を聞くように言われたので、と、答えました。

この有効成分ジクロルボスは、有機リン酸系の殺虫剤で、虫の神経機能を麻痺させることによって、殺虫する薬です。
一般家庭用にスーパーなどで売っている殺虫剤と根本的に違い、毒性が強いです。
市町村責任で撒いていた害虫駆除薬の中には、「取り扱い注意」マークのあるものもあればないものもあるようですが、ジクロルボスは、取り扱い注意マークつきです。よって、一般スーパーなどには出回りません。

この薬品名を、担当のK医師に伝えると、やっぱりね、
という感じで、
ピカリンの血中コリンエステラーゼ値および赤血球中赤血球コリンエステラーゼ値を示しました。

ピカリンは、幸か不幸か(?!)血液検査を結構していたので、このコリンエステラーゼ値なるものが、時系列でどのように変化しているのかを分析するのが可能でした。
そして、殺虫剤の曝露を受けてからの値の変化がひどく、これが、有機リン系殺虫剤の影響を受けている証左となるようでした。

K医師は、この経験(ピカリンの経験)をまとめて、厚生労働省に報告し、自宅周囲にこのような薬剤を撒くべきではないと進言したようです。

さて、
ここまで調べたら、次は、どのように町内会を説得するかです。

全部きちんと説明すれば、1時間はかかるだろうなあ、と思いました。
また、どういう形の提案をするべきだろうか?とも考えました。
上記、市からの説明を対応させると、
わが町内自治会は、「屋内散布希望者」のみに、注意事項を書いた紙を渡し、屋外に撒く点については、自治会会員に特別には注意事項を知らせていない。
また、わが町内が、屋内に撒いていることを、市は把握していない、などの、市とのすれ違いも見られました。
(つづく)

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農薬暴露を受けた話」カテゴリの記事

コメント

知らないって怖い事ですね…(>_<)
読んで背筋がゾッとしました。

何の説明も無く、そんな薬を
撒いていたのかと思うと
すごくびっくりしますよね。

でも、ひょっとしたら未だに
まだそういう風に薬を
散布している地域が
あったりするのかな…
なんだか、嫌な話ですよね。

投稿: サトワカ | 2006-05-25 23:47

これは、私がアメシロの農薬散布の時に思っている事と一緒なのでは…と思いながら読んでいました。
たけしさんの「消毒薬」はアメシロとは別なんですよね?
しかし、アメシロにしても今時、一斉散布なんてほとんどしていないと聞きますが・・・どうなんでしょう?
もちろんうちの地域では朝早くから有無を言わさず白い煙を町内中まきまくっています。
「洗濯物は干さないで」「ペットは外に出さないで」「窓は開けないで」極め付けは「手伝いしてくださる方は、有害ですのでマスク着用の事」?!
いまだにです。

投稿: こはく | 2006-05-26 20:47

>サトワカどん。コメントありがとうございます!

2日間、パソコンが壊れておりまして、ダンナが復旧してくれたのですが、返信が遅れてすみませぬ。

ホント、すごい薬なんですが、
なんでもない人が(いや、多少影響を受けているんでしょうが)いる、っていう事が、また、なんともはや。
うちのピカリンだけが、「異常体質」と言われるんじゃないかと、ちょっとビクビクしていたあの頃でした。
まだ撒いている所、あるんだろうーなー、と思う。
建材に星でマークをつけたりとか、化学物質の影響というものを、以前よりは考慮するようになってきたとは思うんだけど、どうなんだろうね?!
これを読んでいる人の中で、「まだ撒いている」という方がいたら、その人の参考になれば、という気持ちもあって、書いております。です。

投稿: タケ | 2006-05-26 20:51

>こはくさん、こんにちは!

そうなんですよ、アメシロ!
次回に書こうと思っていたことなんですが、町内で、「蚊やハエが・・・」という声より、「アメシロに効果があるから!」という声をよく聞きました。
薬剤が同じか違うかは、取り扱い団体によると思います。もしかしたら、反農薬東京グループHPhttp://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/index2.htm
(クリックで飛ばないので、コピーで、お願いします)に載っているかもしれません。
薬別の毒性の強さについては、図書館で調べました。
どうしても「撒く!」というのなら、少しでも毒性の低いものにして欲しいと思ってました。
ちなみに、
今住んでいる地域も、
「希望者宅はアメシロ駆除剤を撒きます」とあるし、
学校でも、アメシロが発生したときは撒きます。
薬剤名を聞くべきだったなあ、と思っています。
聞かなくても、有機リン殺虫剤と思われるので、もう速攻「避難」。学校は早退。と、決めちゃっているもので・・・。

こはくさんのところは、注意事項を知らせているだけでも、まだマシだと思うよー。

今から思うと、「薬剤名」を調べるだけで、どうしてあんなにドキドキしたのか、と思うけど、いろんなことが「怖かった」んだろうな、と思う。
それでも、やっぱり、どんな薬かは、知っていおいたほうがいいと思います。
毒性については、K医師HPでも。
http://homepage2.nifty.com/smark/YukiRIN.htm

投稿: タケ | 2006-05-27 05:32

本当に、こんなに怖い薬が普通に生活する場に、
何のためらいものなく、まかれていたのですね。
読むたびに、ゾッとします。

地域の中のことをそうやって調べるのは、
前回のものも読ませてもらいましたが、
大変なことですよね。
本当に、タケさん、尊敬します。


農薬って、きっと農家の方にとっては本当に便利
なんでしょうが、恐ろしいですね。
やはりアレルギーのあるお友達のご実家が、
みかん農家なんだそうです。
孫が無農薬のものなら食べられると知って、
「無農薬で作ってやりたいけど、
一本だけ無農薬で作ったりすると、
他の畑に迷惑をかけるから、無理だなあ…」と言ったそうです。
そして「皮をむけば同じだよ!」と言われたそうです。
やはり、作り手もそのような認識なのでしょうね。

そういえば自分が小さいころも、通学路でアメシロの消毒、よくやっていました。
喘息も鼻炎も湿疹もあった私、考えたこともなかったけど、多少は影響受けていたのかもしれないですね。

投稿: たんぽぽ | 2006-05-27 12:29

>タンポポさん、こんにちは。コメントありがとうございます!

我が家の場合は、たまたま、血液検査を定期的に受けていたし、
肺炎等も、普段の生活で、アレルギー症状コントロールができていたのに、いきなりひどくなった、
という点で、「(殺虫剤との)因果関係はほぼ確実」(byK医師)と言い切れたのが、不幸中の幸いでした。
その薬の影響を受けたかどうか、って、本当に難しいことなのだと思う。

また、こういう農薬が、今の農業を支えていくためになくてはならないものになっている、っていうのも、怖いし、また難しいことだと思う。農薬を使わない農業は、手間も人手もいるもんね。無農薬、せめて減農薬の農業が、もっと奨励されて、そういうやり方をしても農業を営む人が生活できるようになっていれば、もう少し、安全な方法が追求されるんじゃないかと思うよね。
なんとか、ならんかなー!
と、いつもよく考えるよ・・・。

投稿: タケ | 2006-05-28 04:55

田んぼに囲まれた 田舎の母です
なんて...祐たんママです
本当農薬って怖いですよね
で どれくらい怖いのか 実際のところまいている人も
知らないんじゃないかと思う
なんとなく 昔からの風習で よく理解しないで引き継がれていることに 疑問を持たないといけないのかもしれないと思いました
今回は 危険度が伝わっていないまま施行されていましたが
必要なのに なんとなく もういいのではないかと削除されてしまっていることもあるのかもしれない

虫や病気を防ぐために 撒いているんだけど
撒かないと 農家の場合お大変な手をとられたりするし
で 今年から本格的に 残留農薬の基準が厳しくなるんです
回覧板が 回ってきました
今までは 準備期間でしたが 今年から施行されます
これで また農薬が見直されればいいのだけど
ここら辺の農家でも 自給用と 出荷用は違います
自給用は できるだけ不要な農薬は使わないようにします
それでも無農薬は難しい
実際 虫が食ったり 形や色の悪い野菜は 嫌われるもの

これから田植えの季節です この季節 前触れも無く
ラジコンへリコプターが 白い粉(農薬)を 撒きます
遠めに見ていても かなり広範囲に散っているのがわかります
この時期 息子の調子があまりよくない
昔は 撒く時は 近くの民家に それとなくお声がかかったみたいですが(立ち話のついでにとか) 最近は 市外からの方 委託されている方もいるので 事前にわからないこともあります
撒く方は マスクなどして完全防備でします
家も できるだけ農薬は使わないように米作りしてもらっていますがなかなか難しいです

 

投稿: 祐たんママ | 2006-05-29 10:23

農薬、恐いですね。
父の知り合いの農家の方は、
生まれたお子さんの指の数が多くて手術をしたそうです。
兄弟3人中2人に奇形があり、もしかすると「農薬」のせいかも
しれないとおっしゃっていたそうです。
(自分で撒くタイプの農薬です)
私がかゆくてかゆくて一晩中眠れない息子を抱いていた頃、
子育てでこんな苦労をしている人もいる、
ということで父がそんな話をしてくれたのですが、
農薬とアレルギー、2つの間には意外なつながりが
あるのかもしれないなあ、と記事をよんでいて思いました。

投稿: eri | 2006-05-29 15:43

>祐たんママさん、こんにちは!

田んぼがあると、風情はあるよね。
もう、蛙は鳴きだしたのかな?
今中1のピカリンが小さい頃は埼玉に住んでいて、近くに田んぼもあって、夏の夜は水面を走る風が涼しいので、夜泣きするピカリンをつれて、よく田んぼの脇を夜散歩をしたものだった・・・。

今年は、全国的に晴れ間が少ないようで、
そうすると、薬を撒くことが多くなる、と、知り合いの脱サラ無農薬農家の人が言ってました。
天気予報で、「このような天気なので、農作物には注意してください」と言ったら、それは「農薬を撒け」と、同じ意味なんだよ、って。やっぱり、そうなのかな?

この農家から野菜を買っている時(宮城に住んでいたとき)、やっぱ、キャベツから人差し指くらいの青虫とか出てくることあるんだよね。頭の中だけでなく、体の中まで真っ白になったような気がするんだけど、「無農薬なんだから、当たり前じゃ!」と貧血起こしそうになりながら・・・青虫をつまめればよかったんだけど、ダンナを呼んでました・・・。
「慣れだよ、慣れ! 私も最初は全然ダメだった」と、その無農薬農家の妻が言ってた。
頭ではわかっていても、理屈だけでは、虫を受け入れられない体質になっている「都会育ち」の自分・・・。
ここら辺も、問題なんだよなあ! ね。

投稿: タケ | 2006-05-30 09:33

>eriちょん、こんにちは!

奇形か・・・。
農家の話じゃないんだけど、私は、内装屋さんに鬱が多い傾向があるんじゃないか、と、狭い経験の中から思っている。有機溶剤を使うからね・・・。
でも
どれもこれも、因果関係がはっきりしていることじゃないから、うっかりしたことは言えないよね。でも、なんと無しの「不安感」だけは、みんな持ち始めているような気がする。

今回の「あのときのこと」を書きながら、
自分自身、「子どもがこんな目にあったんだから、もうちょっと、言うべき時に言っていかないとダメじゃないか? 直接被害を受けたことがわかっている私が言わないで、誰が言う?」という気持ちになってきているタケです。

先日も、ピカリンの中学が「除草剤」をまくというので、「ピカリンちゃん、休ませますか?」と学校が聞いてきたので、「まずは、散布現場を私が見ます」と、言って、出かけました。
散布する学校の業務の方が「俺もホントはマスク位しなきゃならないんだろうなあ!」と言ってた。そうだよ、そうだよ、そうなんよ! 薬を撒く人と、ピカリンの症状などの話をしながら、校庭の隅に除草剤散布して、そうして理解してくれる現場の人が1人でも増えることを願ってました。

農薬と言っても、いろいろ種類もあって、上記除草剤と、ピカリンが曝露をうけた有機リン殺虫剤とは、人の体への影響の仕方が違うみたい。そういうことも、一つ一つ知っていかなければならないんだろうね。
それにしても、情報がないね!

投稿: タケ | 2006-05-30 09:45

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