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「化学物質過敏症」(あのときのこと その7)

のどもと過ぎれば・・・で、
町内会総会で、大恥ともいえる醜態をさらしたのに、
「やったー、やったー、ルッタランタ」とも表現できるような、さっぱりぶりで、その後を過ごしていました。

この年と、その後さらに2年の合計3回、この土地で「町内会消毒薬散布」の季節を過ごしたわけですが、
なぜか(?)、その総会後、私は「消毒薬」を見た覚えがありません

「回覧回ってきたっけ?」
「消毒薬散布、って中止になったの?」
「知らない間に、小規模に、やった?」
?????
いったいどうなっているのか、自分が見落としただけなのかわからないけれど、
見た覚えが無いのです。
何かあれば、行動を起こそうと思って構えていたので、
何も無いことについては、問い合わせをする、というほどの気力までは起こらず
(だって、子育てして、家庭を回していれば、そういうこと以外にも大変なことはいっぱいありますから!)
時々近所の人に、上記のような質問を発し
近所の人も
「さあ????」
みたいな感じで、過ごしてしまいました。
わざわざ電話をしないまでも、町内会役員の方にばったり会うことがあれば、聞いてみよう! くらいは思っていたのです。
で、町内会長に、スーパーかどこかで会ったときに、何気に聞いてみたこともあった気がします。
が、
たしか、町内会長は、ちょっとボケが入っているのに、まつり上げられて会長になったのかな?とでも思いたくなるような、ふわっとした方で、会話の要領を得ず、終わったように記憶しています。(一番わかっているのは総務の人だったんだよなー)

もしかしたら、市の方からも何かあったのかもしれません。
私が薬剤名などを市に問い合わせたことで、なにか、町内とやり取りがあったのかな。
まさかと思うけど、K医師が動いた「厚生労働省」への進言も、何らかの形で出てきたかな?
具体的なことは、わかりません。
たった今住んでいる地域でも、理由ははっきりわからないけれど、「町内会消毒薬」散布は減少・廃止の方向だし、
私自身の勉強・情報収集努力不足で良くはわからないけれど、全国的に、そっちの方向にあるのかもしれない。

もしも、「町内会消毒薬」=有機リン系殺虫剤の散布が続けられて、それが学校登校日などだったら、学校を休んででも、たとえば私の実家に避難する必要がある、とか、もちろん、市や町内に掛け合わなければならない、とか、いろんな覚悟があったのですが、
その覚悟は実行しないですみ、そのまま時が流れました。

町内会総会が行われたのが4月終わり。
のどもと過ぎて、ルッタランタの頃の6月だったかに、かかりつけのK医師の定期外来で、氏より
「今度、ハウスシックの調査があるんだけど、その中で、化学物質過敏症の検診や、室内空気環境の調査をやるんです。もし良かったら、協力してもらえませんか? ピカリンちゃんは、ハウスシックではないけれど、やってみた方がいいと思います」

化学物質過敏~~?
聞いたことはあるけど、考えたことが無かった分野でした。
北里研究所の石川医師が検診してくださるということで、
北里が、そちら方面の「権威」だということも知らなかったけど、
北里といえば、北里柴三郎!(しらねーよ、そっちのほうが、普通)
K先生には、厚生労働省の件でもお世話になったしなー、
モニター候補者が少ないのかな?
でも、うちのデータじゃ、ハウスシックの基礎データにできない気がするけど、よしゃ、K先生へ、ちょっとばかりの恩返し!
半日かかるみたいだけど、どんなのか興味もあるし、協力しようじゃ、あーりませんか。(他に、東北大学建築学科も調査グループ)

と、どちらかというと、物見遊山プラス高飛車な態度で、7月下旬に行われた検査に参加したのでした。

ちょうど、1年前に、有機リン系殺虫剤の曝露を受けたことになります。
症状としては、前に書いたように、「喘息発作」「肺炎」「無気肺」での入院、で、とっくに症状消失
元気に過ごしているピカリン(このとき小2)でしたので、
夏の暑い中で、ちょっぴり涼しい病院で、子供と一緒に暇つぶし、みたいな、お気楽ムードで、鼻歌交じりに出かけたのでした。

長い長い問診。
その他親が書き込むことも多くて、その間に子供は、心電図やら、嗅覚やら脳内血流状態測定やらいろんなことをやり、最後が、石川医師による検診。

だんなもチクリン(このとき3歳)もいっしょで、みんなでごちゃごちゃと診察室に入りました。
石川医師の後ろで、「この子はハウスシックではないんですけど、有機リン系農薬のうんたらかんたら・・・」と、K医師が説明。
(はいはい。そう、そう、そう。だから、あんまり関係ないと思うんですけどねー)と、心の中で私。
やさしそうな石川医師が、赤い玉のついた棒かなんかを持って、玉を注視するようにピカリンに言って、玉をゆっくり上下や左右に動かしていました。
「ほらほら、K君(←注;K医師のこと)、ちょっとこっちに来てよく見てごらん。典型的な症状だよ
はいいいー?
「左右は、乱れはあるけど、まあ何とか。でも、上下が全然ダメでしょ」
「はい」(by 集中するK医師)
なに、なに、なにー?!
何が起こってるの?
私にも見せてーっ!
「こっちの坊やは弟かな? この子もちょっとやってみようか。 ああこの子はきれいだ。きれいに動いている。お姉ちゃん、だけだね」
ええと・・・
今、K医師に良く見せた、ということは、前の検診の人たち(他のモニター)には、そういう人はいなかったわけ? 
なわけでもない?
つーか、何なの、何なの、何なんなのー?!
「どういうことなんでしょうか?」
「うん。化学物質過敏症の典型的な症状でね。ものの動きに眼球がついていけないの。物の動きを追えないんだね。 おかあさんね、外からは良くわからないけれども、この子は、本当はすごく大変な思いをしているよ。 生活していても、つらく感じていることが多いはず。疲れていると思います。 だから、多少のことでは怒らないであげてね。この子はね、すごく努力してますよ

ぽかーん・・・
とすると同時に、胸が加速度的に鼓動を速める。バクバクバク!!

とっさに質問返しができなかったが、
すぐに後、K医師と面談したときに
「どういうことに気をつければいいんですか? 治るんですか?」
と聞いた。
「神経の伝達機能が、正常じゃないんです。伝達の信号が沢山出て、それがごちゃごちゃして、正しく伝わらない。
具体的には、いくつもの情報を一度に処理できない、ということがあります。」
「生活上で気をつけることは?」
「まず、小さいボールでキャッチボールするとかね、そういう時は気をつけて。あと、普通の人なら、目の端に映ることが、うまく機能しないから、交通事故とかね、気をつけて。
症状は、これ以上の曝露を受けなければ、2年くらいで消えるものだと思います」
キャッチボールね。運痴のピカリンには関係ないから良し。
交通事故も、慎重派のピカリンは、大概大丈夫なはず。
情報を一度に処理できない、怒ることを控えめに。
そんでもって、2年くらい様子見るんだねっ!
よし、
わかりましたーーーーっっ!!

この検査の4ヶ月前頃、ピカリンはアナフィラキシーで緊急入院してたし、
いろんなことがあったから、これくらいなら、どーん!と来いだ!の心境。
2年くらい、と、一定の期限がつくのなら、一生のこととはならないかもしれないし、希望もある! それなら、大丈夫!

・・・でも、ピカリン、知らないところで、苦労していたんだ。
ごめんよ、気がつかなかった。
人より疲れすぎるとは思っていたけど、そういう理由もあったんだ・・・。
でも、お母さんは、了解したからね。
きっと、うまくやれると思うよ。

 

こうして、我が家は化学物質過敏症と出会い、付き合い始めることになりました。

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農薬暴露を受けた話」カテゴリの記事

コメント

この子は、本当はすごく大変な思いをしているよ。
だから、多少のことでは怒らないであげてね。
この子はね、すごく努力してますよ

↑泣ける・・・。

想像の域を出ないのですが、2人目の育児があまりに楽だった時、
長男が怒りっぽいのも気が散りやすいのも、ひょっとすると
アレルギーの影響なのかなあ、と思いました。
きっと、すごく大変な思いをしているのに努力してるんだよね。
怒らないであげたいけど、親がそう甘やかすわけにもいかないし・・・。
この文章、保育園の先生にも読ませてやりたい!
うちの子はがんばってるんだ~~!!!

投稿: eri | 2006-07-25 11:56

えええー!!すっごく驚いた!!さすが権威!プロ中のプロ!
ピカリンの体の中は、大変な事になっていたんだね…
それをぱぱっと見て気付いちゃうというのが凄い。
こういうお医者さんが、もっと増えたら良いのにな。

モニターして良かったね、分からない事が分かって良かったね。
少しずつ、いろんな事が早く解明されると良いなと思います。
2年間を「くらい」とさらっと言ってしまうタケ店長が
とっても頼もしく思えます。

投稿: サトワカ | 2006-07-25 12:07

>eri氏

うん、うん、そう、そう。
本当、びっくりした。
ピカリンは、疲れやすい子で、体力もなく、運動能力も低かったから、虚弱児だと思って、フォローしてきたつもりでいたけど、それでも、そういう原因があったとは思ってもいなかった。
最近になって、マルガリータさん(←よく引き合いに出してゴメン、マルガリータさん)のところから、いろんなCSの方のブログなんかを見たりして、初めて、このときのピカリンがどんな状況だったのか、「大人の言葉」を通して多少理解できた。
ピカリンはもう小学生だったけど、たぶん、自分が人と比べて異常事態になっている、って、気がつかなかったんだと思う。
このとき診断されたあとでも、私自身も本当には理解していなかったと思うけど、だらだらしても怒らないようにしたり、人より疲れやすいことを考慮して、宿題をやらせないで寝かせたり、いろいろしてました。(あ、次に書くこと書いちゃった)

前に、K先生が「講演」で見せてくれたビデオで、アメリカの「実験」なんだけど、アレっ子に、アレルゲンの注射をすると、すごーく機嫌が悪くなったり、ふさぎ込んだり、さっきまでと違う精神状態になって、もう一度同じアレルゲンを注射すると、すっと元に戻るというやつ。見た事ある人もいるかな。(前に書いたか?)
人体実験ぽいし、結論付けの理論も良くわからなくて、あまりいいビデオだとは思わなかったけど、でも、ショーゲキは、ショーゲキだった。
そして・・・一緒に見ていたアレっ子母が一様に、「あの機嫌の悪いときの子どもは、うちの子と同じだ!!」の表情!全員の顔面から縦線がザーと降りてくる音が、嵐のように聞こえるようだったよ。うちももれなく同じ。
キーキー、ヒステリーっぽくて、脱力でぐにゃぐにゃしてて・・・って、アレっ子でなくても同じかもしれないけど、アレルゲンの注射一本で、誰の目にも明らかな変化が起こったことが、びっくりだった・・・。
ああああー
こういう事が早く科学的にわかるといいね。
湿疹なら、見てわかるけど、
見えないところで、しんどいのは、本当に不憫だよ。
親はせめて
「そうかもなー」と思って、付き合ってあげるくらいしかできないけど、そう思ってあげるのとあげないのじゃ、違うんじゃないかと思うよ!

投稿: タケ | 2006-07-25 14:32

>そうなんだよー、さとぽん。

書き落としたけど、
K先生は、決して自分のデータをそろえるために私たちを誘ったんではなくて、良い機会に、研究費で(だからうちに負担なし)診断してもらえるから、やってごらん、と、アドバイスしてくれたんだよね、きっと。(と、何事も前向きにとらえる)

北里なんて、気軽に行ける距離じゃないし。
化学物質過敏という診断をできる医師は、本当に少ないらしいから、増えて欲しいーーと、切に願う。
このときのピカリンも、そして去年の暮れのチクリンも、「異常だから検査してもらおう!」と外から見てわかるほどの症状が出ていなくて、その段階で、判明したことが、我が家のラッキーだと思う。
だからこそ、そのラッキーは、何らかの形で社会に還元したい・・・と思っているんだー。

いろいろあると、2年が短くなるぜー。
サトワカしぇんせいも、きっと、そうなってくる(姫に症状が出るという意味ではなく、今のサトポンに延長線引くと)と思ー!

投稿: タケ | 2006-07-25 15:02

やっぱり化学物質、良くないよね・・・
夫が鼻炎発症したのは、子どもの頃にシロアリ駆除してからだそうだし、私の父の戦後生まれの兄弟は、食アレ(数人いる)。
そういえば、私、子どもの頃から異常に疲れやすかった。
もうダメ的に辛くなったのは中学生のころ。
なんと、入学した中学校は、ほぼ新築(私が入学する1年前に建て替え)でした。もしかしてシックスクールだった?
高校卒業くらいで、何とか小学生の頃くらいの疲れやすさに戻ったけど・・・
うちの娘は、アウト食材食べると異様にハイになるときがあります。これもアレルギー反応の一種なのかしら?

投稿: ゆうこりん | 2006-07-27 23:09

>ゆうこりん

シロアリ駆除の薬は、本当に良くないらしいよ。

私もねー、「問診」だけによれば、かなりの化学物質過敏の傾向があるようなんだよ。
子ども二人もそうだからか、石川先生に「お母さん、何か、化学物質を扱う仕事してましたか?」なんて聞かれた。
扱う仕事はしてないけど、そういう時いつも思い出すのが、自分の両親が、かなりヘビースモーカーだったこと・・・。
私も中学で、みんなよりは疲れやすくて、過呼吸症とか起こしてぶっ倒れてたけど、そいえば、私も築1年の校舎だった!体育館も新しくて、ゴム(床がゴムだった)の臭いがぷんぷん。 なーんて、何でも結び付けてはいけないんだろうけど、
全く結びついていなかったことに、「結びつく可能性がある」と気がつくと、はっとするよね。うーむ。
ゆうこりんの症状や、子どもがハイになるとか、
なんか「結びつく可能性」の臭いがするよな、気がする・・・と思う。(断定から遠い位置へ走るタケ)
腕組みして、考え中。
ゆうこりんの話、私にとって、とても大事です。

投稿: タケ | 2006-07-28 09:29

こんにちは。

>←よく引き合いに出してゴメン、マルガリータさん

いえいえ、こちらこそ、取り上げていただいて光栄です;

タケさん、町内会総会では、よくやりましたね!
「あのときのこと6」は、泣けました。(;_;)

私も、化学物質過敏症のため、
「いくつもの情報を一度に処理できない」という症状がありました。
今はだいぶよくなったんですが、
それは、今までよく訓練して欠点を補ってきたからで、
根本的には治っていないような気もします。
(私の場合は農薬に曝露されていた期間が長いので…)
なんか、頭の中がごちゃごちゃして、うまく考えられなくなるんです。

いま電磁波過敏症で、パソコン使うのがつらいのですが、
タケさんのブログはついチェックしてしまいます。(o^-^o)

>私もこのブログは、書きたいことを書ききったら、やめようかな、と思っているから、

何ごとにも終わりはありますね。
でも、タケさんのブログはいつまででも読んでいたいです。

投稿: マルガリータ | 2006-07-29 14:20

>マルガリータさん、コメントありがとう!

町内会総会、ちょっと、恥ずかしいです。
マルガリータさんのHPを通して、化学物質過敏の方の多さと、その生活の困難さを知り、この当時、本当に何も知らなくて、そんなに大きいことでないのにいちいち打ちのめされていたことが、今になると、少し恥ずかしく、書くのもどうかとも思ったのですが、
今も知らない人はいっぱいいるし、自分の始めの頃がどうだったかを記録したい気持ちもあって、書いています。

マルガリータさんも、思考がうまくいかないこと、ありましたかー。
子どもが表現できないので、大人が予想するしかなく、それで失敗したかな、と思うこともあって(次回か次々回に書くと思う)、難しいです。
神経伝達がうまくいかない→頭の回転がうまくいかない
のか
素から頭の動かし方が人と違う(個性)→頭の回転がうまくいかない
のか、難しいし。
大人になると、もっと混乱することじゃないかと思います。

>>今までよく訓練して欠点を補ってきたからで

チクリンも、小学校入学直前「形の認識が出来ない(化学物質過敏のせいと思われる)」と診断されたことがあって、
チクリンを見ていると、そんなことは信じられない(でも字はぜんぜん読めなかった)! と言ったら
「本人がすごくがんばって、ほかの能力で補っているんですよ」
と言われたことがありました。
そういうことも、疲労の一因なんだろうねえ。

電磁波。
うちも気をつけなければと思っています。
(だったらパソコン時間を減らそうぜ!)
これについても、そのうち、項を立てられたらな、と思っています(あまり、実体験みたいなものはないのですが、心配している)

ムリをなさらない程度に、
でも、これからも、どうかよろしくお願いします!

投稿: タケ | 2006-07-30 06:10

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