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トリアージが、ほしかったのかな(ピカリンがアナフィラキシーを起こしたとき 下)

(前回の続き)

お友達「ピカちゃん、大丈夫なの? あした、学校休むの?」
私   「(100%休みだナァ、と思いながら) んー。大したことないかもしれないし、わかんないヨ。様子を見てからね。でも、心配しなくても、大丈夫だよ、多分。」

 

すぐに取って返し、

「救急車を呼ぶべきか?」

をまず考えました。

『アレルギーっ子の生活百科』(角田和彦著)によれば、アナフィラキシーを起こしたときは、観察がもっとも大事で、大人が一人しかいないときは、必ず救急車を、とあります。

でも、ピカリンは、横にはなっているけれど、呼べば「んー」と返事をしていて、ショックは起こしていない。
病院は近かったので、多分、救急車より私が運んだほうが早い。
そうして、どうしても、お隣の二人の姉妹の不安そうな顔が浮かんでしまい、「救急車が来たら、ビックリするだろうな・・・」と、思ってしまい、
総合して、
救急車は呼ばないで、自分で連れて行ったほうが良い!

と、判断してしまいました。(←正しいかどうかは別として)

 

炊飯器にあるご飯に「ゆかり」をぶっこんで、おにぎりを握りながら、ピカリンに声をかけつづけました。

・・・・当時、弟のチクリンは3歳。ひとりでお留守番はできないから、連れて行かなければならない。多分、ピカリンは今日は病院泊まり。たけ夫の帰りは当時非常に遅く、連絡がいつ取れるか分からないし、そうすればチクリンがいつ夕飯を食べられるか(もちろん買い食いできないから)わからないので、チクリンの夕飯を作ったのです。

あらためてピカリンの顔を見ると、もう、目はない

顔が腫れあがって、目が中につぶれて入ってしまって、原型のない顔になっていました。

 

急いで、車に乗せて、車で10分かからない病院へ。

運転をしている間中、気が気でなくて、

「今、後部座席で気を失ったんじゃないか」「今、失ったんじゃないか」
と、何度も何度も
「ぴかー!聞いてるー?!」
と大声で問いつづけました。
ピカリンは、朦朧としているようで、いつも間を置いてから、「・・・う~~~ん。だいじょうぶ~~~・・・」と答え、
10秒経つと、また私に「ピカー!!大丈夫ーーっ?!」「・・・う~~~ん」と繰り返していました。
バックミラーで、何度かピカリンの顔を確認し、まだまだ腫れあがる様子に実際恐怖を覚えていました。

 

 

病院はもう、「時間外」

時間外の患者が待合室にたくさんいました。

「時間外」の診察なんて、もう何回も何回もやっています。

だから、どんな風に進むのかとか、段取りとか、全て分かっていました。

ものすごく待たされることも・・・。

 

診察室の中の医師や看護士に声をかけたかったけれど、せわしなく働く人たちに、その隙はなく、「もしかして、緊急だと思っている私は、勘違い野郎かもしれない・・・!」という遠慮の気持ちもあって、図々しくなれない・・・。

それでも、たまらず、受付に座っていた職員に
「あの! おそらく、まちがいなく、アナフィラキシー症状です!! 至急見てもらえませんか?! 申し訳ないけれど、医師にアナフィラキシーだ、って伝えてください!」と言いました。

すると、その職員は間延びした声で
はあ・・・、でも、皆さん順番で待っていらっしゃいますから

はあ?!

今、アナフィラキシー、って言っただろ?

おまえあなた、もしかして、アナフィラキシー、知らないの

と、

受付カウンターの向こうの若造青年職員に、思わず、カウンターを乗り越えて迫っていきたい気持ちになりながら、
こいつこの人に言っても仕方ない・・・!もう、病院なんだから、少しでもピカリンの意識が遠のくことがあったら、診察中でもなんでも、診察室に飛び込もう!
(ワタクシ、相当、ガラが悪くなっています)

と決め、何度も、何度も「ピカー!起きてるーー?!」(目がつぶれているから、目をつぶっているのかどうか、寝てしまっているのかどうか分からない。ソファーで横にさせていた)と呼びかけながら、一方で、チクリンの面倒も見ながら、病院の廊下を意味もなくウロウロしていました。
待合の廊下以外の明かりは全て消された薄暗い病院の雰囲気、その廊下の様子、と、自分のバクバクした緊張状態だけは、今も鮮明に覚えています。

 

 

結局、順番を早めてもらえたのかどうか分からないけれど、予想したよりは早く呼ばれました。

たまたま、その日の当直が、小児科医(K医師ではない)だったので、ほーーーっ、と、胸をなでおろしました。
医師はピカリンを見るなり「あーーー!!やってもたかーー!」(すでに、ピカリン・チクリンはこの病院の小児科医には顔パス)と声をあげ、即行ベッド行き、点滴・・・・。
ほかにも何かしたかも。忘れましたが。

 

ピカリンが、病院のベッドに横になったときは、心底、ほーーーっとしました。

ここではじめて会社の夫に電話をし、
チクリンにおにぎりを食べさせました。

 

ピカリンの腫れは一晩ではひかず、
結局、病院に2泊か3泊いたしました。(このあたりも忘れてしまいました)

 

ほかにもこの件についてはエピソードはいろいろあるんですが。

題名の「トリアージ」

 

「緊急性」の度合いが、親にだってわからないとき、
医師ではなくても、看護士にでも、「こうこう、こういう経過で・・・」と話すチャンスが、病院についた途端にあるのなら、
あの、短かったかもしれないけれど、不安で緊張で押しつぶされそうな時間は、なかっただろうなあ・・・

なんて、思った。

本当は、救急車を呼べば、優先してみてもらえたかも知れず、救急車を呼ばなかったのが間違いだったのかもしれないけれど、救急車を呼ぶべきかどうか、だって、すごく難しく思う人だっている。

N○Kのショート番組をチラ見しながら、そんなことを考えました。 

そういうお話でした。 

 

 

 

補足

お隣の姉妹は、その親が帰ってきたとき、やっぱり、相当気落ちしていたそうです。

ふたりで、ピカリンに手紙を書いているところだったそうです。

姉妹の親は、実はピカリンを運んだ病院で、まだ残業をしていたので、「ピカちゃんが運ばれた、って聞いたから来てみたんだけど・・・」と、ベッドで点滴が始まってすぐ、やってきました。
私が状況を説明し、それから、ピカリンの友人である姉妹が、多分心細くしていると思う。二人には、本当に何の罪もないから、かえって、ビックリさせてしまってごめんね、
と、話をすることができました。

姉妹の親が、そういう心積もりで家に帰ることができて、よかったです。

たぶん、あの二人に、上手に話してくれたと思います。

 

・・・・なんか、書いていたら、
トリアージより、ピカのお友達のことを強く思い出してしまった。
今から、7年半前のお話でした。

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アレっ子育児」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
友達はN病院でアナフィラキシーだと訴えたのに順番待ちさせられたと10年くらい前言っていました。
たぶん、今はかなりそのN病院も改善されていると思う。
給食で運動性のアナフィラキシーで救急車先月運ばれたらしいから。
別な友達はキウイフルーツで唇が腫れたので、あらかじめT病院に電話しといたら優先的に見てもらえたって。
やはり10年くらい前の頃の話なんですけどね。
その頃は病院によってというか事務職までにはアナフィラキシーって言葉が一般化してなかったかもね。

隣のうちのお友達の気持ちを第一に考えるところがタケさんらしいよね。
母親ってそのとき一番冷静じゃないのに冷静なふりをしなくちゃいけないのが辛いよね。
どんなときでも食事のことを考えないといけないのも、辛いよね。

魚はうちは食べた瞬間だめって言われる。
鮮度の問題らしい。たぶん油が酸化するとだめなんだろうね。
金目とかギンダラとか油たっぷりだめです。
さんまは小さい頃だめだったけど、今は大丈夫。
難しいです。
こういう話はここでしか出ないよね。
病院で話してもふぅ~んで終わちゃうんだよね。

一番最初のアナフィラで待たされた子は少6なんだけど、
いまだに魚のお出汁もだめです。
そういう子って聞いたことある?

投稿: どんぐり | 2008-10-08 18:38

@タケです!

そーなんですよー。
あの当時の私は、どれだけ自分がレアな状態なのか、わかってなかった。
そりゃあ、重度であるとは思っていたけど、「どんだけ」特殊なのか分かってなくて、K先生お膝元の総合病院の医療事務の人なら「アナフィラキシー」なんて分かってる!って思っちゃってたんですよね~。
まだ、アナフィラキシーがTVにも出てない頃だわ。

アレルギーの会で、「これで、同じような人といっぱい喋れる!」と思ったのに、周りを見回すと、あらら、うちが「一番かい!」みたいな状況、って結構あるよね。(「結構」はないか)
確かにアレルギー話はできるんだけど、魚とかは「相当」な人が集まらないと共通テーマにできないよね~・・・。

知っている人の子どもで、それは小さい頃の話だけれども、魚にすごく弱くて、その父が外で魚を食べてきて、家で「喋っている」だけで、その子の顔がアレルギー反応でバーっと赤くなっちゃう、という子がいた。
最近ずっと会っていないけれど、今はどうしただろう。
かなり良くなった、とは聞いているけど、今、年長さんか年中さんだナァ・・・。

投稿: タケ | 2008-10-09 09:46

タケさんいそがしいのにありがとう。

出汁がだめな子なんだけど、当然卵、乳もだめで出汁もだめだと和食系もまるっきりだめなんだよね。
小6だと修学旅行なんかもお母さん冷凍で宅急便で送っているんだけど、
血液検査して負荷試してみればとそそのかしているのよ。

やっぱりアナフィラキシーのトラウマがあるらしくて、
主にお母さんのほうなんだけど、
なかなか思い切れないところとそこまで指導する先生についていないってところでここまで来ちゃっているんだよね。
この年齢まで持ち越していること自体レアなんだろうけど、難しいですhappy02

投稿: どんぐり | 2008-10-10 08:32

こんにちは。
昔、旦那がアフリカの国にボランティア?援助?に行ってた事があります。
今のようなカラフルなトリアージ・タッグはなかったようですが、
医薬品&医療機器に限りがあるため、
現場は毎日識別救急しているようだったと聞きました。
(夫は医療関係者ではありませんが、そういう局面を目撃する事も多々あったそう)
今では理解できますが、若い頃だったので、後に現状を聞かされた私もショックでした。
(救援物資や援助金も驚くほど少なくなって届くという事実も含めて)
↑病院の受付職員とのやりとりを読んで、とても情けなく思いました。
こんなことだから、救急でない人まで救急車を呼ぶ事になるし…。
救急車で来ようが、自家用車で来ようが、何が起こっているのかを
判断して受付しないでどーすんだぁ?(゚Д゚)ハァ?と…。
実は、トリアージを導入云々より以前に、最近の病院の時間外診療で、
まるで戦場の救護室かと思うような体験を何回もしていたので、
不満を持っていた私はついこの記事で怒りがΣ(`0´*)…。
後進国と違って薬や機器は整っているはずなのに、
受付や医師の判断によって、もしそれが活かされなくって、
取り返しがつかなかったらと思うと悲しい…。
被援助国のように、受付でちゃんと識別されて順番待ちしてても
薬がないというのも切ないですが、
やれるだけの事はやったと医師も親も後悔しないのでは…。
と思ったのでした~このお話は読んでて切なくて涙出てしまった…。
相変わらず、ズレててすみません。

投稿: umi | 2008-10-10 09:26

お久しぶりです。
息子のアレルギー、「軽かった?」と思って、かなりゆるゆると生活してました。が、そんなはずもなく(笑)、時々行ってる保育園でヨーグルトの少量誤食。軽かったのですが、アナフィラキシー起こしました(涙) クラス2なのに。
私が到着した時は、じんましん、顔のむくみ、咳、鼻水、若干の元気のなさ、位だったのですが…。保育園は危機感はなく。
なんかこんなことがあったので、涙なしでは読めなかったです。遅くにコメントすみません。

投稿: メロンパンナ | 2008-10-22 01:38

@タケです!


お久しぶりのメロンパンナさんに反応!! 元気でしたか?!
私も何度も「結構軽かった?」って思った・・・。
先が見えないから、良くなってくると、「このままきっと、レッツゴー!」みたいな。
それだけに、そうでない結果が突然出てくると、何もかも自信がなくなってくるよネ・・・。そこがアレルギー症状との付き合いに一番難儀なところだ・・・。
アナフィラキシー症状との遭遇は、これはもう、使いたくない言葉だけれど「経験してみないと分からない」としか言えない。心理的負担、お察しします・・・。
それでも毎日を元気に過ごしているのだろうけど、「あんときゃ、すっごく疲れたしっ!!」ってことで、ご自分のことも、おいたわりくださるよう、お願いいたします。

umiちゃんの話。
前に「ようこ○先輩」という番組で、国境無き医師団の女医さんが話していたな・・・。生徒たちに「酸素ボンベの残りが少ないとき、絶対死ぬことが明らかな患者に使うか? その人より症状は軽いけど、助かりそうな患者に使うか?」と。トリアージとは関係ないけれど、そんなことを思い出しました。
命を扱う仕事は、「事務仕事」ではダメなんだよね。困難だけれど。

投稿: タケ | 2008-10-24 08:20

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